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三宅久之(1930~2012)

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三宅 久之(みやけ ひさゆき)

政治評論家
1930年(昭和5年)〜2012年(平成24年)

1930年(昭和5年)、東京府豊多摩郡杉並町(現在の東京都杉並区阿佐谷南)に生まれる。6歳のとき、父が北九州工場に総務課長として転勤となり、福岡県戸畑市(現在の北九州市戸畑区)に転居し、私立小学校である明治学園に通った。1942年(昭和17年)、東京府立十九中(現在の都立国立高校)に入学。三年生から昭島に通い、九七式艦上攻撃機などの海軍の飛行機をつくる会社で組み立て作業をした。1945年(昭和20年)、阿佐谷の家が防火を理由に壊された為、宮城県に疎開した叔母が住む家(同じ杉並区内の高井戸)に転居。終戦後に叔母が戻ったため、吉祥寺の一軒家へと移った。1949年(昭和24年)、早稲田大学第一文学部独文科に入学。大学卒業後の1953年(昭和28年)に毎日新聞社へ入社した。政治部記者、吉田茂の番記者などを経て、政治部副部長、静岡支局長、特別報道部長を歴任。1976年(昭和51年)に退社し、政治評論家に転身する。1978年(昭和53年)10月から~1985年(昭和60年)3月まで、テレビ朝日『ANNニュースレーダー』の木曜日から土曜日まで(当初は金曜日と土曜日)のキャスターを務める。その後、同局の『やじうまワイド』や『新・アフタヌーンショー』などにコメンテーターとして出演。政界での幅広い人脈に基づく評論と歯に衣着せぬ辛口の発言で人気となる。平成に入ってからは、テレビ朝日『ビートたけしのTVタックル』に出演するようになり、2000年代からは読売テレビ『たかじんのそこまで言って委員会』などの討論系バラエティ番組にレギュラー出演した。80歳を過ぎると重度の糖尿病を患い、声がかすれることが多くなった。2012年(平成24年)頃には心肺機能が低下して車椅子と携帯酸素の使用が増えていたことから、同年3月末日をもって、講演活動、テレビ出演、週刊誌や雑誌の取材や執筆などの全ての評論家活動から引退することを表明。ただし、『たかじんのそこまで言って委員会』については、やしきたかじんが復帰(当時食道癌で闘病中)するまでという条件で延期する形式で引き続き出演していたが、6月から休養に入り、代わりに自身が開設したアメーバブログ『三宅久之の小言幸兵衛』で評論する事とし、続いて三宅個人の公式Facebook(フェイスブック)も開設した。9月5日、同年9月の自由民主党総裁選挙に向け、長谷川三千子、金美齢、すぎやまこういちなど保守系の著名人28人とともに「安倍晋三総理大臣を求める民間人有志の会」を発足。三宅は代表発起人を務めた。同団体は安倍晋三の事務所に赴き、出馬要請。9月26日、総裁選が実施され、安倍が当選した。10月7日、評論家活動からの引退をブログ上で表明した。10月29日には入院し、11月3日に消化器系疾患で手術を受けていた。11月8日に退院し、その後は都内の自宅で療養していたが、11月15日午前6時頃に「トイレに行きたい」と立ち上がった直後に倒れ、東京都内の病院に搬送。病院に到着するまで意識はあったが、午前8時46分に死去。享年82。


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歯に衣着せぬ辛口発言で人気を博した三宅久之。テレビ朝日『ビートたけしのTVタックル』、読売テレビ『サプライズ 怒っとJAPAN』などの討論番組で見せた、強烈な嫌味と皮肉、瞬間湯沸かし器ばりの怒りは、昭和の頑固親父を感じさせられた。特に、田嶋陽子との激戦は視聴者を沸かせ、三宅が激昂しながら「聞きなさい!」「黙れ!」「バカなこと言うもんじゃありません!」等を発する姿には大いに笑わせてもらった。その一方で、ジャイアント馬場が亡くなった際、事業家としては評価しながら「プロレスラーとしては全盛期を過ぎて、筋肉は落ちてヨタヨタしてて、現役のプロレスラーとしては早く引退してほしかった。体は大きいけれどそんなに多彩な技って言っても大したことないし、16文キックで蹴飛ばすぐらいでしょ」と言い放ち、青島幸男が亡くなった際は「政治家の質問としては首をかしげることがあった」「皮肉的な目で見ればドンキーホーテのようだと言えるかもしれない」と述べるなど、賛否両論巻き起こる発言を躊躇なくしてしまう一面が多々あった。そんな三宅久之の墓は、千葉県松戸市の八柱霊園にある。洋型の墓には「照于一隅」とあり、右横に墓誌が建つ。

by oku-taka | 2023-06-03 21:06 | 評論家・運動家 | Comments(0)