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東郷たまみ(1940~2016)

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東郷 たまみ(とうごう たまみ)

画家
1940年(昭和15年)〜2016年(平成28年)

1940年(昭和15年)、画家・東郷青児の長女として東京都に生まれる。1955年(昭和30年)、映画デビュー。1956年(昭和31年)、画家として二科展に初入選。一方で、歌手としてもデビュー。作曲家・服部良一に師事し、ソロでジャズを歌っていたが、11月29日に日比谷日活ホテルで、同じ服部良一門下である朝丘雪路(伊東深水の娘)、水谷良重(初代水谷八重子の娘。現在は二代目水谷八重子)とともに「七光会」を結成し、『ホワイト・クリスマス』を披露。自ら「七光り」と名乗るユニークさが受け、「七光り三人娘」としてステージに立つこともあった。その後しばらくトリオでの活動が続くが後に自然消滅している。1958年(昭和33年)、第9回NHK紅白歌合戦に出場。それまで紅白の出演者は全員ソロだったのが、当時ダーク・ダックスが人気を得て初のグループの紅白出場となり、団体には団体でという方針が取られ、「七光り三人娘」に白羽の矢が当てられたが、それまで単独で出場経験のある朝丘雪路がトリオでの出場を拒否。そのため、水谷良重、沢たまきとの即席トリオで「アレキサンダーズ・ラグタイム・バンド」を披露した。1960年(昭和35年)、勉学に専念するため、絵と歌を中断。単身渡米し、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)に留学する。3年間の留学後、画家としての活動を再開。1968年(昭和43年)、第53回二科展特選を受賞。1969年(昭和44年)、二科会絵画部会友に推挙される。1970年(昭和45年)には二科展金賞を受賞し、翌年には二科会会員に推挙された。1972年(昭和47年)、第57回二科展会員賞を受賞。1975年(昭和50年)、第60回展の内閣総理大臣賞を受賞。また、サロン・ドートンヌ、リスボン美術展、レバノン美術展等への招待出品も行った。1978年(昭和53年)、日本橋三越で個展を開催。以降、26年連続で個展を開催する。画家として活躍の場を広げた。晩年はスペインやギリシャを題材にした作品を描き、女性像と共に好評を得ていたが、2016年(平成28年)5月17日に死去。享年76。


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画家・東郷青児の娘として生まれ、父と同じ道を歩んだ東郷たまみ。個人的には画画としてより、「七光り三人娘」として活躍したジャズシンガーという印象が強い。長らくテレビから遠ざかっていた彼女が、2007年(平成19年)にNHKで放送された『昭和の歌人たち 服部良一』に出演し、近影を見せてくれたことが非常に嬉しかった。2016年(平成28年)、どこにも報じられることなくひっそりと世を去った東郷たまみの墓は、東京都豊島区の雑司ヶ谷霊園にある。墓には「東郷家之墓」とあり、左側に「東郷青児之碑」、右側に墓誌と、父・青児の略歴を刻んだ碑が建つ。

by oku-taka | 2023-01-01 23:12 | 芸術家 | Comments(0)