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久和ひとみ(1960~2001)

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久和 ひとみ(くわ ひとみ)

ニュースキャスター
1960年(昭和35年)〜2001年(平成13年)

1960年(昭和35年)、東京都武蔵野市に生まれる。両親が結婚8年目でようやく生まれた娘であったことから、5才でバイオリンを習わせるなど大事に育てられた。東京都立国立高等学校を卒業後、東京大学を受験するも失敗。一浪して再度チャレンジするも不合格となり、第二志望の早稲田大学政治経済学部政治学科に入学。在学中の198年(昭和55年)、菅直人が初めて当時の社民連から地元の選挙区より衆議院議員選挙に出馬した際に、選挙応援ボランティアとして選挙カーでウグイス嬢をした。中学生の頃からアナウンサーに憧れがあったひとみは、これをきかっけに益々アナウンサーへの憧れが強くなり、就職活動は東京の民放キー局を全て受験。結果はどこも不合格であったが諦めず、CNNデイウォッチの契約キャスターのオーディションを受け合格した。1984年(昭和59年)、早稲田大学を卒業し、テレビ朝日の『CNNデイウォッチ』初代キャスターとなる。当初、担当期間は3ヶ月か6ヶ月と言われていたが、キャスターとしての才能を担当者に見いだされて契約期間を延長。さらに、チャレンジャー号爆発事故の緊急ニュースを担当したことで一躍有名となり、最終的に1989年(平成元年)9月まで5年半担当した。降板後は『モーニングショー』など複数の番組でリポーターを中心に担当。また、同年4月にはTBSと専属契約。荒川強啓とともに、ローカルニュース『テレポート6』キャスターとして起用された。番組そのものは荒川と久和の登場後1年で終了し、1990年(平成2年)春に『JNNニュースコープ』と統合されて『JNNニュースの森』となったが、引き続き荒川とメインキャスターを務めた。1996年(平成8年)3月、『JNNニュースの森』との契約期間満了と番組リニューアルを機に降板。コロンビア大学に留学し、国際関係論などを学ぶため客員研究員として研究を重ねた。1998年(平成10年)2月、帰国。『ニュースジョッキー』『ジャーナル8』のキャスターを務めた後、政治・経済面に強いキャスターとして、1999年(平成11年)10月にテレビ東京の『TXNニュースアイ』のメインキャスターに起用された。この『ニュースアイ』のタイトルは彼女の名前「ひとみ」(eye)に因んだものである。しかし、2000年(平成12年)10月20日の放送にて「実は体調を崩しまして、来週からしばらく休ませていただくことになりました。また元気になりしだい戻ってまいります」と挨拶し、『ニュースアイ』を休演(事実上降板)。検査を受けた結果、子宮癌を患っていることが判明し、最後の出演の4日後に手術を受け、復帰に向けて治療に専念をした。しかし、2001年(平成13年)2月、肝臓への転移が見られ、容体が急変。3月1日午前11時25分、急性肝不全のため都内の病院で死去。享年40。久和の死は当日の番組の冒頭で伝えられ、その際に癌にかかっていたことが初めて明かされた。没後、久和の一周忌である2002年(平成14年)3月1日、久和の遺産の一部を基金として、マスコミ関係の職務経験がある女性を対象とした奨学金「久和ひとみスカラシップ」が設立。2004年(平成16年)までに計4人を留学生として送り出し、一旦解散した。その後、選考委員長を務めていた筑紫哲也の遺族の申し出により香典が寄付され、2009年(平成21年)11月に「久和ひとみ・筑紫哲也スカラシップ」として1人限りの募集を再開した。


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クリっとした瞳とショートヘアがトレードマークだった久和ひとみ。早くからキャスターとしての才能を認められ、チャレンジャー号爆発事故を皮切りに、ベルリンの壁崩壊、ドイツ統一、湾岸戦争など、激動の世界情勢を知的と歯切れの良さで報道した。『ニュースの森』の看板キャスターとして地位を固め、留学後には自身の名に因んだニュース番組のメインに就任するなど、ベテランキャスターとしてこれからという矢先の死は多くの人に衝撃をもたらし、その訃報は各局で一斉に伝えられた。40歳で夭折となった久和ひとみの墓は、東京都府中市の多磨霊園にある。墓には「久和家之墓」とあり、右側面に墓誌が刻まれ、左側に犬のモニュメントが建てられている。戒名は、「釋尼妙聲」。

by oku-taka | 2022-10-05 20:28 | テレビ・ラジオ関係者 | Comments(0)