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名古屋章(1930~2003)

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名古屋 章(なごや あきら)

俳優
1930年(昭和5年)~2003年(平成15年)

1930年(昭和5年)、東京府東京市麹町区(現在の東京都千代田区九段)に生まれる。1949年(昭和24年)、旧制中学を卒業し、NHK東京放送劇団養成所に3期生として入所。1952年(昭和27年)、ラジオドラマ『ぼたもち』に主演し、その年の芸術祭賞を獲得。ラジオドラマにはその他『一丁目一番地』などに出演。美声を生かして主に二枚目を担当し、多くの女性ファンを獲得した。1955年(昭和30年)、『ノンちゃん雲にのる』で映画デビュー。映画ではクセのある敵役や悪役で鳴らした。1959年(昭和34年)、文学座に入団。1963年(昭和38年)には劇団雲の創立に参加した。1971年(昭和46年)、『釘』で第6回紀伊国屋演劇賞個人賞を受賞。1975年(昭和50年)、劇団雲が解散。以後はフリーで活動し、地人会、こまつ座などの舞台にも出演した。特に井上ひさしの『雨』は、主人公の紅花問屋の旦那になりすます金物拾いを11年間200回に渡って演じ続け、1983年(昭和58年)に芸術祭賞優秀賞を受賞した。テレビドラマでは、刑事役や大映テレビ制作の作品に常連出演し、中年の軽妙な役どころをこなす名脇役としてお茶の間で親しまれた。特撮では『帰ってきたウルトラマン』のナレーターや、『ウルトラマンタロウ』の朝日奈勇太郎隊長役が代表作となった。1991年(平成3年)からは、藤村有弘から引継ぐ形で『ひょっこりひょうたん島』の2代目ドン・ガバチョ役を務めた。1996年(平成8年)、脳梗塞を発症。2003年(平成15年)3月には脳腫瘍で手術を受け、4月に出演が予定されていた舞台を降板。リハビリの後に一時は仕事に復帰したが、6月15日に自宅で転倒し、腰に激痛を感じたため入院。17日には検査で見つかった小さな脳腫瘍の手術を受けた。23日夕方になって呼吸が荒くなり、肺炎の症状を併発。意識不明の状態となり、24日午前8時35分、肺炎のため東京都新宿河田町の東京女子医大病院で死去。享年72。


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飄々とした声と癖のある表情で記憶に残る中年役を得意とした名古屋章。気の良いおじさんから融通の利かない頑固親父まで、実に幅の広い役柄を演じ、親しみのある名脇役として活躍した。その親しみやすいキャラクターは、ダチョウ倶楽部の肥後克広によって度々モノマネされた。『暴れん坊将軍』の御側御用取次役、『HOTEL』の総料理長、『終着駅シリーズ』の課長、そして『ひょっこりひょうたん島』のドン・ガバチョと、幼き頃からそのクセのある演技を堪能させてくれた名古屋章の墓は、東京都東村山市の小平霊園にある。墓には「名古屋家之墓」とあり、左側に墓誌が建つ。戒名は「精進院輝誉章山居士」。

by oku-taka | 2020-12-27 19:47 | 俳優・女優 | Comments(0)