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世良譲(1932~2004)

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世良 譲(せら ゆずる)

ジャズ・ピアニスト
1932年(昭和7年)~2004年(平成16年)

1932年(昭和7年)、 島根県雲南市に生まれる。本名は、世良 哲壮(せら てっそう)。小学1年からピアノを習い始め、その後クラシックを学んでいたが、明治大学在学中の1950年(昭和25年)に佐久間牧雄らのグループに参加。プロとして米軍キャンプでジャズの演奏活動を開始。その後、芦田満オーケストラ、奥田宗宏&ブルースカイ・オーケストラなどに在籍して頭角を現す。1959年(昭和34年)、白木秀雄クインテットに加入。1965年(昭和40年)にはベルリン・ジャズ・フェスティバルに出演し、国際的に注目を浴びる。帰国後、グループを退団。以後、ソロや自己のバンドを率いてモントルー・ジャズ・フェスティバルなど海外の名門ジャズ祭に数多く参加した。デキシー、スイング、モダンと幅広いレパートリーを持ち、洒脱で颯爽としたスタイルの演奏で知られた。また、ジャズクラブの他にもテレビやCMでも活躍。特に、1974年(昭和49年)から7年間出演したTBS系の音楽番組『サウンド・イン"S"』では、軽妙な語りでジャズファン以外の人々にも広く親しまれた。1988年(昭和63年)、世良譲トリオとしてモントルー・ジャズ・フェスティバルに出演し、スイス放送曲より絶賛される。2002年(平成14年)、胃癌が発覚。入退院を繰り返しながら、仲間のジャズマンを集め「病院セッション」を行ったり、「ピアノを弾きたい」と東京・六本木のライブハウス「バードランド」を中心に演奏をするなど、音楽を楽しむ姿勢は最後まで変わらなかった。2003年(平成15年)、ジャズ界最大の栄誉とされる南里文雄賞を受賞。2004年(平成16年)2月17日午後2時19分、多臓器不全のため東京都品川区の病院で死去。享年71。


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高度なテクニックと確かな実力で音楽ファンを魅了した世良譲。TBSの音楽番組『サウンド・イン"S"』で軽妙洒脱なトークと颯爽とした演奏を7年にわたって披露し、お茶の間に愛された。また、紅白歌合戦では由紀さおりやしばたはつみのバックを務めるなど、多くのアーティストからも信頼される存在であった。大人な音楽を提供し続けたピアニスト・世良譲の墓は、神奈川県横浜市の総持寺にある。墓には「世良家之墓」とあり、右横に墓誌が刻む。戒名は「春光院楽翁哲壮居士」。
by oku-taka | 2020-05-31 02:44 | 音楽家 | Comments(0)