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アイ高野(1951~2006)

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アイ 高野(あい たかの)

ミュージシャン
1951年(昭和26年)~2006年(平成18年)


1951年(昭和26年)、東京都に生まれる。本名は、高野 元成(たかの もとなり)。中学時代から当時最先端の横浜の音楽シーンに惹かれ、14歳にしてライブハウスでドラムを叩く。1966年(昭和41年)、東京・蒲田にあったイタリアンレストラン「80番」の専属バンドとして歌っていたところ、バンド「フリーランサーズ」に所属していた越川弘志に見出されて同バンドに所属。しかし、1967年(昭和42年)1月にフリーランサーズを脱退。直ちに新たなバンドを作るべく、元スウィング・ウエストの喜多村次郎、越川弘志、越川の盟友である臼井啓吉と名古屋でサウンズ・オブ・ウエストのメンバーだった岡忠夫を迎え、「ロビンフッド」の名で活動を始める。この頃、高野の名前が「侍っぽい」「古風だ」ということで、メンバーでアイデアを出し合い、「アイ高野」に改名した。ロビンフッドは蒲田のイタリアンレストラン「80番」を拠点に、横浜のレストランとかJAZZ喫茶でライブ活動を行った後、フイリップス・レコードの発売元である日本ビクターにて行われたオーディションで合格。この際に演奏したイギリスのバンド・ゾンビーズのオリジナル曲『I Love You』は彼らのアレンジが功を奏し、さっそくプロデューサーの本城和冶は英米ポップス曲の訳詞に長けていた漣健児へ日本語訳を依頼。誕生したデビュー曲『好きさ好きさ好きさ』は120万枚を売り上げる大ヒットとなり、クライマックスで“お前のすべてをー”と悶絶しながら観客に向けてドラムスティックを差し出すポーズも話題となった。デビューにあたって彼らはミュージック・ライフ編集長だった星加ルミ子によってザ・カーナビーツとバンド名を改め、以後グループ・サウンズ(以下、GS)界のアイドル的存在となる。その後も『恋をしようよジェニー』、『オーケイ』等のスマッシュヒットを飛ばし、GSブームを牽引した。在籍時にはイギリスのロックグループ「The Walker Brothers(和名:ウォーカー・ブラザーズ)」のメンバー、ゲイリー・ウォーカーとのジョイント・シングルを出している(『恋の朝焼け』。洋題は'Cutie Morning Moon')。しかし、1969年(昭和44年)に同グループを解散。解散後は、エディ藩グループを経て、本格的なニュー・ロック・バンドとなっていた「ザ・ゴールデン・カップス」にドラマーとして加入。しかし、1970年(昭和45年)に同グループのメンバーだったミッキー吉野、柳ジョージと共に大麻取締法違反で逮捕される。1973年(昭和48年)、ソロデビュー。1978年(昭和53年)にはNHKの連続テレビ小説「わたしの海」にも出演した。1980年(昭和55年)、「ブルース・クリエイション」を母体とした竹田和夫の新生「クリエイション」にボーカルとして参加。アイ高野の加入時から大幅に西海岸系ロックサウンドへと変化し、日本語表記を今までの「クリエイション」から「クリエーション」と改名した。1981年(昭和56年)、日本テレビ系ドラマ『プロハンター』の主題歌『ロンリー・ハート (Lonely Hearts)』が大ヒット。1983年(昭和58年)には『ペットントン』の主題歌を、1985年(昭和60年)に『巨獣特捜ジャスピオン』の主題歌を担当した。また、MOTCHIN名義で『銀河疾風サスライガー』の主題歌を歌唱している。これらと並行して、アニメ『愛してナイト』とのタイアップ企画で、藤村幸宏らとともに「アイ高野とビーハイヴ」としてアルバムを発表した。1996年(平成8年)、肝硬変を発症。それからは大好きだった酒とたばこを断っていた。2006年(平成18年)3月21日に体調不良を訴え、緊急入院。その後回復したが、31日に再び体調を崩し、4月1日、急性心不全のため都内の病院で死去。享年55。


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『好きさ好きさ好きさ』でドラムを叩きながら「お前のすべてー!!」と叫ぶボーカルで人気となったアイ高野。その情熱的な歌声とドラムさばきは多くの女性を虜にした。GSブーム去りにし後はバンド解散の憂き目に遭うが、1980年代に入りクリエーションのボーカルとして見事復活。『ロンリー・ハート』はドラマ主題歌にもなりヒットした。55歳の若さで旅立ったアイ高野の墓は、東京都港区の御田いずみ霊園にある。墓はハート形に造られた赤色の御影石でかなり目立つものであり、そこには彼の代表曲「好きさ~好きさ~好きさ~♪」と彫られている。また、その下にはドラムを巧みに操るアイ高野の姿を描いたレリーフがはめ込まれている。

by oku-taka | 2019-08-10 17:46 | 音楽家 | Comments(0)